中心市街地の空洞化が叫ばれて久しい。当地でも、便利さと安さが売りの大型店の駐車場は満車でも、地元商店街は閑散としていることが多い▼また、インターネットやカタログによる通信販売を利用したことのある人は多いだろう。テレビショッピング番組を見て「買ってみよう」と思った経験も誰にでもありそうだ。このように物量を誇る大型店や、動かずして物が入手できる通販は確かに便利だ。一方で、味気なさや不安を感じることもある▼先日、量販店で照明器具を求め持ち帰ったものの、あるべき部品が入ってなかった。店の手違いということで届けてはくれたが、問い合わせの電話を何度かやり取りしたり、またどんな人が来るのかと気をもんだりと、ひとたび何かあると結構面倒なものだと実感した▼昔ながらのまちの電気屋さんならこんなこともなかろうにと、「顔の分かる」関係がどれほどほっとするかが身にしみた。読者諸兄は似た経験をお持ちだろうか。
片隅抄