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片隅抄

2015.11.28

先日、平下高久にあるかねまん本舗を会場に、今年も地元有志による「みんなで祝おう恵比寿講」が開かれた▼昔は五穀豊穣や大漁、商売繁盛などを願ってどこの家庭でも開かれてきた祭事だが、生活様式の変化や核家族化の進展などによってまさに〝絶滅危惧〟の状態になっているという▼そこで有志で大きな恵比寿・大黒様の像が鎮座している同店を会場に、デモンストレーション的な催しを開いてきた。今年もお供え物のお手本が並べられ、小学生たちには両神様の絵を描いてもらった。未来を担う子どもたちがこの機会に日本の大切な祭事を覚えておいてほしいと思う▼わが家では何十年も前から、母親がずっとこの恵比寿講を続けてきた。尾頭付きの魚やお煮しめ、生きた川魚などを供え、升の中に財布ごと入れて祈る。子どものころから間近に見てきていたので当たり前だと思っていたのだが、世間的にはそうでもないらしい。幸せなことなのだと身に染みている。

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