きらきらと光り輝くものには、誰もが美しさを感じるだろう。28日、いわき駅前大通りで「いわき光のさくらまつり」が始まった▼同日夜には、点灯の瞬間を見ようと多くの市民が集まった。このまつりでケヤキ並木を彩る電飾が、富岡町・夜の森公園の桜をイメージしていることは、今や多くの市民の知るところ。現在、市内には原発事故で地元を離れざるを得なくなった双葉郡の約2万4000人が居住している▼まつりはこの人々といわき市民の「共生」に向けた活動に取り組むいわきJCが、浪江、南双葉の両JCとの共催で実施している。今の市内において、両者の共生には少なからぬ課題があるのが現実▼が、同じものを見て同じように美しいと感じたなら、その感動は人として共有でき、相互理解の端緒にもなるはず。この桜色の電飾の役目はそこにあり、それには、隣人との共生を本気で考えてほしいという主催者の願いが込められていること胸に留めおきたい。