創立120周年を迎えた磐城高には多士済々の卒業生がいるが、同校OBの面川倫一さん(32)が6月、第27回朝日作曲賞(合唱組曲部門)を受賞した▼同賞の選考は全日本合唱連盟などが主催して毎年開かれている。作曲賞を受賞した組曲の中から来年度の全日本合唱コンクールの課題曲が選ばれることになっており、今回は受賞作「混声合唱とピアノのための組曲『自戒』」の中から「まぶしい朝」が課題曲の一つになる▼先ごろ他界された高校のOBで作曲家・合唱指導者の石河清さんは課題曲に過去3度入選している。面川さんにピアノを指導したのは同校で音楽講師を務め、OBの指揮者小林研一郎さんら多くの逸材を育てたピアニストの故若松紀志子さんだった▼面川さんは第25回での次点(佳作)を経て正賞に輝いた。高校時代は合唱部に所属、ピアノも担当した。10日に行われた後輩たちの定期演奏会には客席から見守った。伝統校ならではのエピソードだ。