先日、平字大工町の公園でモノづくりイベントが開かれた。地元平の人以外ではなじみにくいが、大工町以外にも平の中心市街地には江戸時代の町割りをしのぶ町名・字名が残っている▼材木町、紺屋町、仲間町、番匠町、鷹匠町、鍛冶町、研町などがそれで、車で走っていては気づかないが、歩いていると、これらの名前が付いた表示板があるのに気づく▼市内には歴史に詳しい専門家が多々いる。しかし、そこまで深い知識がなくても、材木町の人たちのように地元の身近な歴史からまちおこしイベント開催につなげるアイデアは素晴らしい▼これを機に、鍛治町(古鍛治町も含め)や研町では刀を鍛造したり研いだりといった刀剣類のイベントを、紺屋(こんやではなくこうや)町では藍染めを、鷹匠町では鷹匠を呼んで鷹狩りのイベントを開くなど連携し、体験しながらふるさとの歴史を感じてもらうのはどうか? 住所だって立派な歴史遺産だ。使わない手はない。
片隅抄