花の名前には疎い。それもブッドレア、と聞いてもイメージが湧かない。図鑑によると中国西部原産の落葉低木。小さな花が房状に咲くというが現物は見たことがない▼にもかかわらず、何度その名前を口にしたろうか。団体にこの花名を付けた「ブッドレア会」。常磐地区を中心に文化、福祉のボランティア活動を展開し、今年で設立35年。先日、その総会が開かれた▼東日本大震災も一因ではあるが、会員の高齢化などでここ数年の活動は足踏み状態だった。一時は解散の話も出たが、最悪の事態は避けたいと役員が奔走。協議を重ね、100人以上いる登録会員の意向を確認した▼往復はがきで確認を求めたが、返信が得られない会員もいたという。さまざまな場で活躍している人なのだが、と理解に苦しむ。会の25年誌『絆』がある。震災でよく使われた言葉は、すでにこの時、存在していた。新たなスタートに心躍らせながら、設立者の先見性に頭が下がった。