風薫る五月というが、寒々しくぐずついた天候が続いたと思えば季節外れの暑さに見舞われた。そんな中、市内各小学校では運動会が真っ盛り▼先日、児童4人だけの白水小で運動会が行われた。国宝白水阿弥陀堂、みろく沢炭鉱資料館の前を抜け、やや細い1本道の途中に校舎がある。着いた時には、すでに歓声が響き渡り、盛り上がりが伝わってきた▼3、6年生2人、5年生2人の計4人の男子児童が個人、団体戦に奮闘した。紅白に分かれて各種目を競い合ったが実の兄弟も含まれ、まさに一家族を思わせた。もちろん周辺住民、消防団員らも駆けつけ、地区挙げての一日だった▼にぎやかな光景を目にしながらも、来年の6年生卒業を思うと、ややさびしい。この先にある高野地区には、新興住宅地を思わせる家並みが続き、高野小もある。ある種の規制が白水町への住人移入を難しくしているとも聞く。数年後、校舎だけポツンと残る光景にはしたくない。
片隅抄