先日、きが置けない友人たちと酒を飲んだ。定年を間近に控えたサラリーマンばかり。自身の健康の話から親の介護と話題は尽きない▼中でも、老後の生活費については深刻だ。今の世の中、公的年金だけで老後の生活費を賄うのには限界がある。これからの日本の財政事情や進む少子高齢化を考えた時、年金受給の大幅減はむろん、最悪制度の破たんも考えられなくもない▼高年齢者雇用安定法の改正で、60歳で定年を迎えても、65歳まで働ける企業は少なくない。希望すれば60歳以降も働けるわけだが、定年後はボーナスなしの年収カットは当たり前。50代も後半となれば子どもの教育費はかからないとはいえ、家の残りのローンを退職金で支払う人にとっては、老後の資金不足は火を見るよりも明らか▼今後は節約生活だ。暗い話に一気に酔いがさめた気分。医療費や社会保障費は値上がりし、高齢者にとっては住みづらい国になっていく、で一同納得しお開きとなった。
片隅抄