秋の気配を感じ始めるこの時期は、中学生たちが職場体験をするときでもある▼スーパーや書店、コンビニ、介護施設や幼稚園、時には自衛隊などで、子どもたちが戸惑いながらも働くことの大切さ、厳しさを味わっている。こないだはラジオ局で体験をした生徒が〝出演〟をしていた。昭和40年代に中学時代を送った身には、今の中学生が羨ましい。もし自分だったら…と考えるだけでもワクワクする▼わが社にも毎年、3、4校から生徒が来社して、〝一日記者〟の名刺を手に取材体験をしていく。限られた人員と時間の中で、少しでも記者という仕事のやりがいを見つけてもらえたらと、準備をして待ち構えるのである▼時に〝逆取材〟を受けることもある。「記事を書く上で大切なことは何ですか?」。答えは至ってシンプルだ。「間違わないこと」。ところが、恥ずかしいことに間違える。そう答えながら、真っさらな中学生の前で改めて基本に立ち返る自分がいる。