「駆け込み需要」という言葉が先月まで世の中を席巻した。消費増税を見越してのことだが、言われているほど、その効果は実感できていないのが現状のようだ。景気低迷がストップをかけているのかもしれない▼あまりその手の事には便乗しないタイプだが、今回は多少古く扱いにくくなった掃除機を新調することにした。節税できた額は昼食代程度で実感はないが、性能には驚いた。コードレスのものだが、軽くて吸引力もいい。満足感は節税分をはるかに上回る▼家電の技術革新には驚かされるばかりだが、それを最初に実感したのは、今では時代遅れの感があるが、CDが発売された時だ。大学生の時だったが、あの衝撃は今でも忘れられない▼それ以降、技術革新に加速がつき現在に至っているが、何か味気ない。自身で操作していてもどこか操られている。そんな感じがそう思わせるのだろう。便利で楽なのは間違いない。しかし温かみが感じられないのも事実だ。
片隅抄