新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、政府が求めていたイベント開催制限が緩和され、上限が5千人だったプロ野球、サッカーのJリーグが収容人数の50%まで認められた。だが、依然として、大声を出しての応援やハイタッチなどは自粛。以前の賑わいを取り戻すのはまだ先のようだ▼来春のセンバツにつながる秋季東北地区高校野球県大会は明22日、最終日を迎える。東日大昌平がいわき勢で唯一勝ち残り、地元メインの県大会でいわき地区最後の砦(とりで)として、6年ぶり4度目の東北切符獲得を決めた▼今大会も夏の代替大会と同様、原則無観客での開催となった。観戦を認められた保護者、控え選手も声を出すことなく、マスク姿でプレーする選手たちを見守る▼バックスクリーンに目を移すと、球場外に高校野球を引退した3年生の姿が。伝統を託した後輩が心配のようだ。感染防止対策を徹底し、彼らだけでも入場させてあげられる手だてはなかったのか。
片隅抄