県高野連が20年ぶりに『福島県高等学校野球連盟史』(Ⅱ)を出版した。この1冊に戦後の県内の高校野球史が詰まっている▼9回を完投して26個の三振(15連続含む)を奪ったり、2試合連続で満塁本塁打つなど野球漫画のような快記録をもつ選手がいたり、放棄試合や夏の福島大会決勝で3年連続同カードがあったりと、読み返すとなかなか興味深い▼県内高校出身のプロ野球選手を見ると、いわきから11人が入団していた。現役では小松聖投手(勿来工卒)。ほかに184勝を挙げた小野正一投手(磐城卒)や通算68本塁打の柳田利夫選手(内郷卒)らがいる▼平商からもプロ入りした選手がいる。山本格也捕手。記録を調べると昭和31、33年に毎日、大毎に在籍し、42試合に出場した。だとすると昭和8年生まれの同い年、小野投手とは同期入団だ。別々のノンプロを経由して同じチームに入った2人は、プロでバッテリーを組んだのだろうか。これも興味深い話だ。
片隅抄