このところ男女共同参画に関する川柳や、いわゆるイク(育児)メン・カジ(家事)メンを撮影した写真を目にすることが多い▼夫や父親が家で料理を作る、洗濯をする、ごみを捨てに行く――という行為に賛辞を込めた作品が並んでいるのだが、たぶん少数派であろう父子家庭では「何、そんな特別なこと?」と微苦笑しているに違いない。かくいう抄子も家庭の事情で30年以上、主夫業を続けている。家事は当たり前の日常風景なので、たぶんわが娘は句が思い浮かばないはずだ▼作品を応募したのは小学生~高校生だから、家庭でのお母さんの役割を優しいお父さんが分担してあげるという姿が『男女共同参画』のイメージにつながるのは仕方ないのかもしれない。ところで、母親が父親の役割をこなす姿を描写した作品がなかなか見られないのはなぜだろう▼子どもたちにイメージを固定化されない前に『男女共同参画』の本当の意味を教えなければならない段階では?