県立、私立高の卒業式が概ね終了した。取材のため、いずれも1校ずつ訪れたが、学校長の式辞には、コロナ禍で不自由な生活を余儀なくされたとする趣旨の言葉が聞かれた▼うち1校で卒業生の男女内訳を聞いたところ、本校の方針とのことで明かにしてもらえなかった。式次第の名簿は五十音順だが、男女混合している。最近の名前は区別できないのがあるため、こちらで勝手に決められない▼祝いの日である。対応者との押し問答も無粋かと思い、一旦は引いた。帰る際、運良く別の職員がいたため納得いかない旨を申したところ、名簿を見ながら丁寧に男女数を教えてくれた▼対応についてもう一つ。最近、ある商業施設が閉店した。最終日、大勢の市民らが去りがたく店内にとどまっていた。セレモニーが近づくにつれて、その数は増える一方。上部組織の幹部と思われる人が一部を店外に退出させた。地域に親しまれただけに、その思いを共有してもらいたかった。
片隅抄