ストーリーを考え、挿絵を描き、装丁をデザインし、製本する。今風にいえば四刀流。これを1人で、あるいは親子や友人同士で仕上げた作品が所狭しと並ぶ▼JRいわき駅前ラトブ4階のいわき総合図書館学習室であす12日まで、36回目となる「手づくり絵本展」が開かれている。幼児からお年寄りまで、アイデアを凝縮した夢いっぱいのハンドメイドの絵本はじつに素晴らしい。プロの童話作家、プロの出版社が発行した絵本とは違う、手づくりならではの親近感がある▼話のストーリーはもちろんだが、仕掛け絵本に代表される創作力はどうやってあふれてくるのだろうと驚く。催しの趣旨から表彰はないが、展示作品を手に取ってページをめくった来場者の笑顔がなによりのご褒美だ▼6日間、同一会場での展示で終わってしまうのがもったいない。もっと多くの人の目に触れる場所で展示してほしいし、各図書館の児童図書コーナーで常設するのもよいのではないか。