「悔しいです」。ラグビーを題材にした80年代のテレビドラマ「スクール☆ウオーズ」で、宮田泰男さんが演じた森田光男はのちに宿敵となる相模一高に0―109の大敗を喫し、こう叫んだ。この魂の言葉がラグビー部を奮起させる原動力となった▼県高校新人ラグビーの決勝が16日、いわきグリーンフィールドで行われ、勿来工業が磐城に31―6で勝利。25年ぶりに県頂点に立った。勿来工業は現在、主力となる2年生が1年生だった一昨年秋の花園予選で磐城に0―95で敗れた。森田と同じFLで、兄とともに戦った鉄友慎は言った。「自分たちが3年生になったとき、〝強い勿工〟となるよう頑張りたい」▼今大会、鉄はチーム1の4トライを奪取。25年ぶりに全国選抜につながる東北新人戦のⅠ部に出場する。長きに低迷が続いていた名門の復活への序章が始まった▼25年前のⅠ部挑戦は4位と健闘した。地元開催の東北舞台で〝勿工旋風〟を巻き起こしてほしい。