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片隅抄

2025.02.18

遠野に生まれ、将来を嘱望されながらも27歳という若さで生涯を閉じた歌人田部君子を顕彰する動きが、各地で広まりつつある▼亡くなったのは戦時中の昭和19年3月17日。知る人はほとんどいなくなったが、君子の死を嘆き悔やんだ妹春子の姪らが亡き母の三回忌に合わせ平成11年に短歌集を発刊し、愛好家を中心にその名が静かに広まった▼市井の注目を集めたのは、令和3年秋に市勿来関文学歴史館で開かれた企画展「田部君子―清きほこりを高くかかぐる―」。遠野では歌と生きざまに共感した地域おこし協力隊の若者が、自ら漉いた遠野和紙に歌をしたためた書を同館に展示。君子が青春時代を過ごした平では昨秋、〝君子フェス〟が催された▼ただ同館や若者の取り組みと対象的に、平だけで完結したフェスは、心残りだった。遠野の原風景と短歌に没頭した平、高野と東京での苦悩。点で終わらせず線にすれば、その魅力をより発信できたのではないだろうか。

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