厳しい寒さとやや温暖な日が交互にきている。朝起きて空気に触れた瞬間にそう思う。調べてみると、きょう17日は1978(昭和53)年2月、北海道幌加内町で氷点下41・2度を記録した日という▼どれほど寒いのか想像もつかないが、こちらの体験では30年以上前の2月1日、初めてスキーをするため友人と足を運んだ栃木県の奥日光。眼前に華厳の滝を臨む所で記念写真を撮ったのだが、しびれるような寒さは忘れられない▼初スキーだが、ろくに滑ることもできず寒さの中で汗を流す感覚が厭になり、結局この1回のみで現在に至る。奥日光のついでに群馬県桐生市に立ち寄り、スケートにも挑戦したがこれも同じことだった▼冬が苦手といっても、こたつにくるまっての一献は何物にも代え難い。熱燗で自製の鍋をつつく夜が続いている。震える日々の中にも草木の芽吹き、柔らかな陽光など、わずかな春の兆しを見つけるため、冬があり寒さがあるのだろう。