2022.05.20

喫煙が人体におよぼす悪影響は今さら言うまでもない。いたるところで禁煙エリアが拡大され、室内外でたばこをたしなむ人の姿はまず見ない。かつては医療施設の待合室に灰皿が置いてあったことを考えると隔世の感がする▼きのう、30日の「世界禁煙デー」を前に受動喫煙の危険性を訴える団体代表の医師と元雑誌編集長の対談が行われた。吸う側、吸わない側と単純に分けることはできないが、それぞれの立場からの意見は参考になった▼辣腕で知られた元編集長は紙巻きたばこではなく、葉巻の愛好者。外国映画での大物マフィア役らがゆったりとくゆらす場面はよくあるが、日本ではなじみ薄い。せいぜい吉田茂元首相、あるいはジャイアント馬場さんら威風堂々とした人物に似合うアイテムだろう▼だが、元編集長の意見にも聞くべきものがあった。他人の嗜好を一概に悪いものとせずルールなどで束縛しないなど、喫煙のみならずさまざまな事象に当てはまる。