8月の旧暦のお盆になると、いわき市内の新盆家庭から、浴衣姿で白たすきや手っ甲などをし、鉢巻きをまいた地元青年会が奏でる太鼓や鉦の音色が聞こえてくる。「じゃんがら念仏踊り」。起源や由来は諸説あるが、市民から〝じゃんがら〟と呼ばれ、江戸時代から続くいわきの伝統芸能だ▼明治時代の漢学者・大須賀筠軒著「磐城誌料歳時民俗記」には、「ぢやんがら念仏トハ、即念仏躍ニテ、男女環列、鉦ヲ敲キ、皷ヲ撃ツ」とあり、明治以前には女性も踊りに参加していたことが分かる。近年は女性の踊り手もチラホラと。男性に負けじと、勇壮な舞いで市民の心を躍らせる▼内郷公民館で6年前から続く、本年度の内郷ジュニア体験教室「じゃんがら念仏踊り」が開講した。地元の小、中学生が下綴青年会の指導で「じゃんがら」を学ぶ▼10月の最終回には地区文化祭で発表する。受講生の中には女の子の姿も。いわきの夏の風物詩はしっかりと継承されている。