北日本の各地では降り続く雨の影響で、浸水被害や土砂崩れ、幹線道路が崩壊して集落が孤立するなど甚大な被害が続いている。青森県弘前市では多くのリンゴ園が被害を受け、悲痛な声を上げる農家の姿に胸が痛んだ▼他人事ではない。抄子も記憶の片隅に残るが、昭和61年8月4日から翌日にかけ、本市では市制施行以来初となる災害救助法が適用されるほどの大雨に見舞われた。約2300世帯が床上・床下浸水となり、田畑も1069㌶が冠水。被害総額は46億7998万円に上った▼東日本大震災、台風の被害はさらに甚大だ。本市の歴史を振り返ると、自然災害との戦いでもある。地球温暖化の影響か分からないが、これまでの想像を絶するうような異常気象が今〝日常茶飯事〟となりつつある▼突発的な事象を含め、自然災害に常識は通用しない。命を最優先に貴重な財産を守るための行動が取れるよう、日ごろからあらゆる〝想定〟をしておくことが大切だ。