15日の「終戦記念日」が過ぎると、戦争に対する報道はめっきりと少なくなる▼戦後77年。今や9割の国民が戦後生まれとなり、戦争の記憶は歴史に変わりつつある。戦争の惨禍を身にしみている世代は、戦争がいかに無慈悲で愚かな行為であることを、体験を通して知っている。今もなお原爆症に苦しむ人がいることを知っているか。戦争を歴史の一㌻にしてはならない▼猛暑の後には記録的な豪雨に見舞われた日本列島。2000年代に入り、地球温暖化による気候変動は、世界中で甚大な被害をもたらしている。温暖化の原因とされる二酸化炭素など温室効果ガスの増大が指摘される。先進国を中心に脱炭素社会の構築を目指すが、各国の思惑もあって足並みは乱れがち▼今後も温暖化は続くと見られ、大雨、干ばつ、熱ぱ、森林火災など…。それに伴う食糧危機と、人類の生存を危うくする事態になりつつある。世界が本気で温暖化対策に取り組む時期に来ている。
片隅抄