いわきＦＣの若き〝コルリ〟会田さん 快進撃支えた熱狂空間の指揮者

　赤く染まるスタンドの最前列で、トラメガ（拡声器）を片手にサポーターの熱を選手へ届ける。今季、サッカーＪ３に初参戦したいわきＦＣの若きコールリーダー（コルリ）会田陸人さん（１９）＝平。プレーをたたえるために叫ぶ選手名や、チームを鼓舞するチャント（応援歌）を絶妙なタイミングで導く。Ｊ３優勝・Ｊ２昇格の快進撃を支えた熱狂空間の指揮者だ。
　平工業高に進学し、たまたま東北１部リーグに所属するいわきＦＣの試合を観戦した。「いわき市を東北一の都市にする」と宣言し、倒れてもすぐに立ち上がるスタイルに共感し、魅力にはまった。
　電気保全の職に就いて２年目の今年、サポーター仲間から推されてコルリを務める。子どもの頃から人前に立つのは得意だったが、初のＪ舞台でのまとめ役に不安が募った。昨季のアウェイ遠征は１試合だったが、今季は１１試合。各地のサポーターやコルリから「やりたいことをやり、背中で語れ」などとアドバイスをもらい、自分のスタイルを確立した。
　ホームのＪヴィレッジスタジアムで行われた最終節のＹ．Ｓ．Ｃ．Ｃ．横浜戦。「周りの目は気にするな。自分の思い、感謝をそのまま声で選手に伝えよう」。ぶっきらぼうながら単刀直入な言葉がサポーターの心に響き、アップ段階からスタンドはヒートアップ。試合後、選手から「来シーズンもよろしく」とコルリを認められたことが一番の喜びだという。
　会田さんは４日、いわき駅前大通りで行われる「Ｊ３優勝＆Ｊ２昇格記念パレード」にも訪れ、太鼓を叩いて選手に感謝を伝える予定。「サポーターは選手・スタッフ含めたいわきＦＣのファミリー。チームとともにステップアップしていきたい」と来季のＪ２の舞台を心待ちにしている。