日本を代表するオーケストラ・NHK交響楽団(N響)の第2バイオリン次席奏者の三又治彦さんによる公演が11日、いわき芸術文化交流館「アリオス」のイタリアンダイニングで開かれた。
三又さんは、いわき市で継続する定期演奏会の縁から、N響いわきアンバサダー(大使)にも就いており、クラシックの魅力を広く伝えている。公演は、いわきアリオスが3月7日まで改修による休館中のため、気軽に一流の音楽を楽しみたい市民に向けて特別に企画された。
N響はいわき芸術文化交流館「アリオス」で、東北唯一の定期演奏会を開いているほか、三又さんはレジデントシリーズとして、昨年は市内各地に出張して音楽を届けてきた。演奏に対する思いなどを聞いた。
――いわき市で演奏を継続しての感想は
全国いろいろな場所を巡っているが、個人個人とのコミュニケーションが取れていると感じる。市民の皆さんとより良い関係を築くことができ、レジデントシリーズを通じて、定期演奏会にも足を運んでいただいた方もいるほど。大変ありがたく思っている。
――いわき市の好きなところを教えてほしい
地元の温泉も食材も最高。(常磐湯本町の)さはこの湯にも入りに行ったし、サンマのみりん干しやメヒカリもとてもおいしく、家族みんなで楽しませてもらっている。
一つ自慢すると、神玉(※いわき神社巡拝「神玉」)は10カ所全部集めた。(勿来町の)國魂神社の夏詣で行われていた風鈴も美しく、神社それぞれにエピソードがあることに感銘を覚えた。
――演奏を聴く市民に向けて
クラシック音楽は、堅いイメージを持たれがちだが、バイオリンはかつて、酒場で盛んに演奏されていた楽器なので、肩ひじ張らずに聴いてほしい。レジデントシリーズでは普段とは異なる環境に対応しつつ、お客さんの反応を見て、私たちも演奏曲目を決めている。
何よりもいわきアリオスは素晴らしいホールなので、これからも多くの方と出会いたい。よろしくお願いします。
※いわき神社巡拝「神玉」=昨年7月から若手神職が始めた取り組み。市内10カ所の神社を回って、それぞれの社紋等が入った神玉を受けることで、参拝者の願いがかなうよう祈りを込めた。
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