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市が中山間地域振興に向けた方針策定 推進本部や有識者懇談会も設置へ

 市は中山間地域の振興に対する考えとして、「いわき市里山の暮らしを支える地域づくり方針」を策定した。地域づくり方針では、中山間地域を維持していくことの重要性について、市全体で共有するとともに、これら地域の一次生活圏のセーフティネットを確保して、地域力の維持・強化を図ることを狙いとし、恵み豊かな里山の持続可能な未来を目指す。
 併せて市民協働部次長をトップに推進本部を新設するほか、専門的な意見を取り入れる有識者懇談会も設ける。地域づくり方針の期間は、令和5年度から12年度の8年間。財源確保に向けた基金創設も計画しており、16日開会の2月定例会に対して、条例の制定案が提出された。
 市によると、いわき市の面積(1232・26平方km)のうち、中山間地域の占める割合は65%(801・74平方km)に上る。県の条例で位置付ける過疎・中山間地域は、市内13地区のうち10地区が該当し、遠野、三和、田人、川前の4地区は全域が当たる。
 全国的に広がる人口減少社会の到来は、市全域に影響するが、この4地区は特に大きい。市の推計によると、2015年を100とした場合、2060年の全市の人口は49・5だが、遠野は31・5、三和は21・8、田人は16・0、川前は12・2まで落ち込む。
 また現時点でもこの4地区は高齢者の割合が高い状況となっており、田人や川前は高齢化率が50%を超えている。医療施設に関しては、遠野には8カ所(歯科診療所をむ)あるが、田人は1カ所、三和と川前はゼロだ。
 こうした状況を踏まえて、市では中山間地域の課題を調査し、住民からも聞き取りを行った。その結果から、交通・医療・買い物について重点的に施策を推進し、支援に必要な担い手も確保することを決めた。

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