岸田首相が1日、平字上荒川の福島高専を訪問し、同日に発足した双葉郡浪江町の「福島国際研究教育機構」(F―REI)と同校の連携協定の調印式に出席したほか、ロボットコンテストに出場した学生たちと懇談した。
この日はF―REIの設立式と、福島第一原発事故に伴う帰還困難区域のうち、特定復興再生拠点区域(復興拠点)の避難指示が解除された双葉郡富岡町夜の森地区の記念式典に訪れた後、同校に足を運んだ。
連携協定には、相互に研究開発・人材育成などの充実を図り、浜通りの復興・発展、福島や東北の創造的復興、さらに日本創生のけん引に寄与することが盛り込まれた。9月には山崎理事長のトップセミナーを予定している。
岸田首相と学生の懇談では、まず機械システム工学科4年の塚田愛由希さん(18)から話を聞いた。山梨県北杜市出身の塚田さんは、廃炉に携わりたいとの思いで同校の門をたたき、昨年12月の廃炉に向けた自作のロボットの技術を競う「廃炉創造ロボコン」では、チームリーダーを務め、特別賞に輝いている。
岸田首相は「学んだ技術から、課題解決に取り組む姿勢は素晴らしい。将来廃炉に向け、貢献することを期待している」とエールを送った。
また電気電子システム工学科4年の小林一慶さん(18)が、昨年11月の「アイデア対決・全国高等専門学校ロボットコンテスト」(高専ロボコン)で、ベスト8となったロボットを披露した。
勿来町出身の小林さんは、自動運転技術の開発に就きたいと明かし、今後も研さんを重ねていきたいと伝えた。岸田首相は「高専ロボコンの発想力や技術は、産業界をはじめ多くの方面で注目を集めている。何よりも楽しみながら、これからも未来を切り開いてほしい」と激励した。
ニュース