■J2第23節 いわきFC1―1ブラウブリッツ秋田(2日、ソユスタ)
▽得点【い】岩渕(後45+2=PK)【秋】三上(後33)
「あのコースは練習していたので、キーパーを見ずにけりました」。1点ビハインドの後半アディショナルタイムに、チームを同点に導くPK弾を決めたMF岩渕弘人(25)は試合後、冷静に振り返った。
互いに一進一退の攻防を見せる中、いわきは後半33分、一瞬のスキを突かれて左サイドを破られると、守備のクリアミスから先制点を許してしまう。しかし、このままでは終わらなかった。
あきらめずに粘り強い攻撃を繰り返すと、後半途中から投入された岩渕がペナルティーエリアで倒され、値千金のPKを獲得。自らキッカーを務め、落ち着いてボールをセットすると、少し間を置きながら、やや浮かし気味に真ん中にシュートを放ち、土壇場でゴールネットを揺らした。
昨年10月のテゲバジャーロ宮崎戦で、右前十字じん帯損傷と外側半月板損傷の大けがを負い、約8カ月ぶりに出場を果たした前節のアウェー・大宮アルディージャ(埼玉)戦に続き、2試合連続での得点となった。
後半戦での浮上に向け、攻撃面で頼りとなる存在だ。「点を取ることで、自信につながった。リハビリを頑張ってきて良かったと思う」と笑顔を見せる。田村雄三監督(40)も「けがをしないように、これからも頑張ってもらいたい」とエールを送る。
一方で、岩渕は現状には満足していないとも明かし、もっとチームに貢献していきたいと力強く語る。中2日で迎える栃木SC戦は、けが明けで初めてのホーム戦となる。サポーターの期待も大きいとあって、勝利を届けることを誓った。
いわきFC