東京電力福島第一原発の廃炉作業の中で発生した処理水の海洋放出を始めたのが２４日▼今日で５日目となるが、中国をはじめ各国の、そして国内でも放出に反対し即時中止を求める声や、それに関連した日本からの食品輸入中止や一方的な不審電話などが問題となっている。もしわが家にある日、中国語交じりの訳のわからない電話が来たらどんな気持ちになるだろう▼似たような電話を会社で受け取ったことがある。２０１１年の原発事故間もなく。いわきにいて大丈夫か、避難しなければいけないのか、専門家の間でも意見が対立していたときである。千葉県在住という男性が「お前の新聞では避難しなくても大丈夫と書いてあるが、被曝したら責任を取れるのか」と言うものだった▼安全か安全ではないのか、１２年たった今でも放射性物質の影響については意見が分かれている。事実は１つでしかないのに、正反対の意見が両耳に飛び込んでくる。不安感はぬぐえない。
