『ものがわかるということ』
著 者:養老 孟司
出版社:祥伝社
価 格:1760円(税込み)
※紹介する人:内藤ともみさん
人生の意味なんかわからなくていい。なぜなら…
今回ご紹介する本は、解剖学者の養老孟司先生の最新刊です。
養老先生が八十代半ばにしてたどりついた考えから、「わかる」というシンプルな感覚を広い視点で掘り下げています。
「わかる」と一言であらわしてみてもその対象は様々です。自分をわかる、相手をわかる、勉強をわかる………たくさんのものやことへの理解を人間は行っています。しかしそれらは確実に「わかる」ことができるのでしょうか?
世間や他人との付き合い方、ニュースを自分の頭で考えることなど、私たちの身近な話題をもとに養老流のものの見方や考え方がまとめられています。
〝世界をわかろうとする努力は大切である。でもわかってしまってはいけないのである。その土俵際が難しい〟
答えは出なくても考え続けた養老先生の知恵は、人間関係、仕事、子育て、生きていく上で誰もがぶつかる悩みや迷いを解きほぐしてくれるでしょう。読み終わると思考がふわっと自由になる一冊です。
(ヤマニ書房本店勤務)