新型コロナの5類移行に伴い、これまで自粛が続いていた定例の催しが一気に再開された。取材のため絵画、水墨画、木彫などのサークル展示会、芸能発表に足を運んだ。そこで聞かされるのが、会員不足。応対の方が嘆息交じりに存続の難しさを伝えてくれた▼先日、いわき版画の会が発行する「2024年版画カレンダー」が届いた。昭和53年以来、毎年「いわきの風物」をテーマに会員が市内の名所旧跡、行事、季節の草花を独自のタッチで表現したオリジナル有料作品である▼今年も正月、雪景色、しだれ桜、札所三十二番、背戸峨廊などが多色、単色で刷られているほか、亡くなられた版画家坂本勇さんが遺した6月「あじさい娘」もあった。だが、残念なことに今年を最後にカレンダー作りは中止するという▼こちらも会員数不足による諸般の事情を理由としている。頒布は限定41部。これがラストになるかと思うと、やや寂しい。いわきの文化の一つだった。