平薄磯の塩屋埼灯台は16日、15日に初点灯から124年を迎えた記念として、無料の一般公開が行われた。この企画に合わせ、管轄する福島海上保安部と、地元有志団体・とよまの灯台倶楽部によって、〝年末の大掃除〟として、今年1年の感謝も込め、海に向かって光を届けるフレネルレンズが磨き上げられた。
フレネルレンズの直径は1・6mで、水面から高さ約73mの頂点に2枚設けられ、灯台の心臓部となっている。レンズの表面はでこぼこした形状をしており、中心のガス灯の明かりを集めて強い光を生み出し、15秒間隔で22海里(約41km)先まで照らしている。
この日はワークショップも開かれ、海保によるロープワークの一環で、叶結びを使ったストラップ製作が実施されたほか、灯台に万国旗が飾りつけされ、塩屋埼灯台の誕生日を祝った。
また灯台の一角では、全国の灯台を擬人化する「燈の守り人」のボイスドラマとして、第46弾となる塩屋埼灯台編が先行公開された。県内では鵜ノ尾埼灯台(相馬市)に続き、2カ所目のボイスドラマ化。劇中では1957(昭和32)年の映画「喜びも悲しみも幾歳月」のモデルで、塩屋埼灯台長を務めた田中績氏のエピソードなどが語られた。
塩屋埼灯台は「豊間の灯台」として、広く地域に親しまれており、全国に16カ所のみの「登れる灯台」でもある。
この地の周辺は古くから航行の難所とされ、1899(明治32)年に灯台が作られた。初代のレンガ造りは1938(昭和13)年、福島県東方地震で被災して解体され、2代目が40年に完成。太平洋戦争や東日本大震災を乗り越え、現在までその役割を果たしている。
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