大相撲解説の舞の海さんは「プロの大相撲とアマチュア相撲の実力差がなくなった」と言う▼確かに大学や実業団で全国上位の成績を挙げ、序ノ口→序二段→三段目を免除、特例の幕下付出から3~4場所で十両→幕内にスピード出世した力士は多い。古くは朝潮や武双山、雅山、現役では遠藤や御嶽海、伯桜鵬らがいる▼才能もあるが、プロの部屋よりも厳しい稽古をアマチュアの土俵で積んできた証しか。今場所11日目、印象的な取組があった。大関貴景勝が大の里の勢いに押され、悪癖の引き技も出て無様に土俵下へスッテンコロリンと転がった▼貴景勝といえば、前頭15枚目だった熱海富士が新入幕初優勝をかけて上がった優勝決定戦の土俵で立ち合い変わって優勝をもぎ取った一番を思い出す。期待外れに終わった新大関琴の若、白鵬ばりの張り手や変化技、立ち合いの無用な駆け引きを見せる豊昇龍。尊富士、大の里の胸のすく土俵が大相撲を変えてれるはずだ。