きょうから新年度。月曜スタートときりがいいため、いわき市内を含め官公庁、民間企業などでは入庁、入社式が行われた。ここしばらく全国紙には、この日に合わせ洋酒会社、いや飲食品も含めたホールディングスが広告を掲載していた▼人生の先輩が社会に一歩踏み出した若者にエールを贈る文章を記していたが、書き手だった小説家伊集院静さんが亡くなったためか、こちらの知る限り目にしていない。伊集院さんの前任は同じ直木賞作家の山口瞳さんだった▼その山口さんは、勤める会社が数度倒産する不遇なサラリーマン時代を過ごした経験をもとに『新入社員諸君！』を発表した。その中に「新入社員に関する十二章」がある。簡単な言葉だが実に的を得た忠告が印象に残っている▼その一つに「出入りの商人に威張るな」がある。人にはそれぞれの立場があり、心ならずも相手に対して低姿勢になる。ここを勘違いすると敵を作り、自分の世界を狭くする。
