福島県民の多くが身近に感じ、エールを送り続けてきた人気テレビ番組の企画「DASH村」。原発事故の影響で双葉郡浪江町の村は〝閉鎖〟されてしまったが、いつか再開することを心より願うばかりだ▼企画が始まった当時、本市の中山間地に新設された遠野オートキャンプ場では、村と競うかのように次々魅力あふれるコンテンツが生み出された。限られた人と予算を補うのは、経験豊かな地元の有志たち▼遠野和紙に限らず鍛治や竹細工、木工などを継承するベテラン職人が健在で、勢いがあった。彼らはよく村の作業と比べ「俺らのほうがしっかりとした仕事してるよな」と笑い飛ばしたものだ▼取材で毎週のように通っていたせいか、「おめぇも移住せい」と半ば本気で声を掛けられたのが懐かしい。多くが鬼籍に入り里を離れ、手仕事の継承は遠野和紙以外、途絶えつつある。とはいえ、元々ポテンシャルの高い場所だ。再びあの活気が戻ることを期待したい。