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いわき市 昨年の観光入込客数は687万人 コロナ5類移行で需要回復
市は15日、2023(令和5)年の市内観光入込客数を発表し、686万9015人で、前年より140万6040人(約25・7%)増だったと明らかにした。政府が昨年5月、新型コロナウイルス感染症について、感染症法上の分類を5類に移行したことで、観光需要が回復したことが背景にある。
一方で東日本大震災・東京電力福島第一原発事故前の2010(平成22)年と比較すると、6割あまりにとどまっており、さらなる誘客が求められている。
市観光振興課によると、主な増加施設として、スパリゾートハワイアンズが126万5520人(前年比31万7361人、約33・5%増)、市観光物産センター「いわき・ら・ミュウ」が137万5300人(同12万900人、約9・6%増)となっている。
ふくしま海洋科学館「アクアマリンふくしま」の60万4851人(同5万9464人、約10・9%増)、夏まつりの36万3500人(同15万人、約70・3%増)も後押しした。
市では5類移行を踏まえ、個人客を対象とした周遊促進・宿泊割引施策に関して、旅行エージェントと連携して実施したほか、団体客向けには市内バスツアーを主催した旅行会社に補助を出すなどし、それぞれ支援策を展開した。
コロナ禍では中止や縮小を余儀なくされていた夏まつりが、4年ぶりに通常規模で開かれたことに加え、大物産展などの大型イベントが全面開催できたことも大きい。コロナ禍前の2019年には、755万3200人の観光入込客数があったため、1年を通し制約がない今年は、昨年以上の伸びが期待される。
また震災・原発事故前の2010年には、1076万6595人を記録しており、同課では「引き続きデジタルマーケティングを活用したプロモーションや、原発事故に伴う風評払しょくに向けた取り組みのほか、訪日外国人(インバウンド)需要の確保に向け、本市の魅力を効果的かつ継続的に発信していく」としている。
(グラフ:いわき市の観光入込客数推移)