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浜通り地震14年 田人で国土地理院が講話 井戸沢断層の地図記号登録の動きも

 田人小・中で11日、田人町旅人を震源に、東日本大震災の1カ月後に発生した最大級の余震「福島県浜通り地震」から14年に合わせ、国土地理院職員による講話が行われた。
 2011(平成23)年4月11日に起きた浜通り地震では、田人地区で大規模な土砂崩れが起き、4人が亡くなった。マグニチュード(M)7・0、最大震度6弱に見舞われたほか、田人地区の北側から南東側にほぼ横断する約14kmに、約1万5千年ぶりに活動した「井戸沢(いとざわ)断層」が出現した。
 国土地理院では地震直後から活動層の状況や地形の状況について調査しており、2022(令和4)年12月に現地訪問した際には、田人地域振興協議会が中心となって保存に努めている現状を評価。貴重な地形や地質を有する自然公園として、国連教育科学文化機関(ユネスコ)による「世界ジオパーク」に認定される価値があると伝えたという。
 こうした交流をきっかけに、同協議会では昨年10月、茨城県つくば市の国土地理院に赴き、子どもたちに話をしてほしいと依頼し、今回の講話が実現した。
 講話では国土地理院の山谷由利子さん、勝田瑛子さん、石井咲妃さんが来校。小学3~6年の児童、中学1~3年の生徒に加え、地元住民ら約80人を前に、「災害に備えるための地図とその活用」のテーマで、浜通り地震に関する説明に加え、地図を交えた防災のあり方を紹介した。
 また児童・生徒はタブレットを使いながら、国土地理院の地図の使い方を学び、自分たちの住む田人地区に対する理解を深めた。志水星王さん(14)=中3=は浜通り地震の時は1歳とあって、当時の記憶はもちろんないが、家族からさまざまな話を聞いてきた。「とても有意義な時間だった。またいつ大きな災害が起きるか分からないので、自分たちでももっとできる対策を考えていきたい」と力強く語った。
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 井戸沢断層を巡っては、災害の教訓を伝える「自然災害伝承碑」の地図記号への登録に向けた動きが進んでいる。国土地理院では2019年、過去に発生した津波、洪水、火山災害、土砂災害など自然災害の石碑やモニュメントに対し、地図記号化を通じて防災意識を高める取り組みを始めた。
 登録に向けては田人町黒田字塩ノ平の案内を基に、地元の意向を踏まえ、市が国土地理院と調整している。登録は本年度中の見込みで、浜通り地震に関する自然災害伝承碑の地図記号は初となる。
 (写真:国土地理院職員の講話に耳を傾ける子どもたち)

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