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常磐でN響の上質な音楽 バストロンボーン奏者の植田町出身・黒金さんら公演
日本を代表するオーケストラ「NHK交響楽団」(N響)のメンバーが、いわき市のさまざまな場所に出向いて演奏することで、広く芸術活動に触れてもらう「NHK交響楽団いわきアンバサダー レジデントシリーズ」が13、14日、常磐地区で行われた。本年度はN響のバストロンボーン奏者・黒金寛行さん(植田町出身)がアンバサダーに就き、〝大使〟として上質な音楽を届ける。
初回のレジデントシリーズでは、13日にまこと幼稚園(常磐湯本町)で、園児・保護者向けと市民を対象にしたコンサートを開催し、14日には旅館こいと(同)でミニライブ&交流会を開いた。
3公演合わせて約300人が訪れ、黒金さんに加え、昨年度のアンバサダーでN響のフルート奏者・梶川真歩さん、ピアニスト・居福健太郎さんが参加。ベートーヴェンの交響曲第6番「田園」や、ドボルザークの「ユーモレスク」など、多彩な楽曲を繰り広げた。
黒金さんはアンバサダーにあたり、「プライベートで帰ってくる機会はあるが、今回の公演では自分の知らないたくさんのいわきに触れられた。単に演奏するにとどまらず、自分も一緒に地元を楽しんでいきたい」と意気込む。
今回はメヒカリの唐揚げに舌鼓を打ち、夜はいわき湯本温泉に宿泊したほか、空き時間を利用して市石炭・化石館「ほるる」にも足を運んだといい、さっそくふるさとの魅力に触れた。
10月には小名浜と植田町で、再びレジデントシリーズを予定し、来年2月にはロシア出身の指揮者トゥガン・ソヒエフ氏を交え、いわき芸術文化交流館「アリオス」で、第12回いわき定期演奏会を控えている。
「10月は同じN響のトロンボーンとチューバととも、オーケストラの作品を抜きだしたりしながら、普段とは異なる楽器の姿を見せたい。そしてソヒエフ氏は、まるで魔法のような素晴らしい世界を展開する。どちらもぜひ足を運んでほしい」と呼びかけた。
また、黒金さんにアンバサダーをバトンタッチした梶川さんは「本当にいわきが大好き」と笑顔で語った。プライベートでも来市しているといい、これからもいわき市とのつながりを大切にしたいと明かす。
「アンバサダーとして、地域の方々と音楽の持つ楽しみや悲しみなど、表情を共有できたことが忘れられない。街の皆さんも温かいので、とても魅力あるところです」と話している。
(写真:公演に臨む梶川さん、居福さん、黒金さん=左から、撮影:鈴木宇宙)