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鹿島ショッピングセンター破産申し立て エブリアの旧運営会社 営業は継続
鹿島町米田の大型商業施設「鹿島ショッピングセンター『エブリア』」の旧運営会社で、オープン当初から事業を担っていた「鹿島ショッピングセンター(SC)」が、地裁いわき支部に破産申し立てを行った。5月28日付。負債総額は約7億6735万円。
商業施設は「いわきエブリア」と名称を変更し、建物を所有する平南ホールディングス(HD、東京都)が3月から運営を引き継いでおり、同社では「破産管財人との協議を通じ、運営への影響を最小限にすべく努めていく」とコメントしている。
また、現在は25店舗が入居しているが、「地域住民の皆さまには、通常通りお買い物がお楽しみいただける」とも説明した。平南HDはパチンコ店のつばめグループなどを運営し、植田町が発祥の中原商事(郡山市)の100%子会社となっている。
東京商工リサーチいわき支店によると、鹿島SCは1994(平成6)年に設立。盛況時には70店舗のテナントを構え、2002年3月期の売上高は12億2519万円を計上した。しかし市況の低迷や大手ショッピングモールの進出に加え、20(令和2)年以降はコロナ禍の影響を受け、23年3月期の売上高は6億2942万円にとどまった。
関係者によると、鹿島SCは平南HDと協議を進め、事業の円滑な引き継ぎを模索していたが、退店するテナントの対応を含め、両者の話し合いが難航。双方合意の上で清算を目指すも、平南HD側が態度を硬化させ、不調に終わったため、やむなく法的手続きに踏み切った。
平南HDと鹿島SCとの賃貸借契約は3月末で終了したが、平南HDとの明け渡しの点が不明瞭なため、鹿島SCとテナントで解約が済んでいないケースがあるという。
(資料写真:名称を変更して営業が続く「いわきエブリア」)