イクメンだの主夫だのと男が家事に手を出すことが特別のような言い方をされているのを見ると、「別に褒められるほどでもないだろ」と斜に構えてしまう▼家庭の事情でわが家の掃除・洗濯・炊事を担っている。掃除や洗濯は1日2日サボったところで影響はないのだが、家族に食べさせる毎日の食事と弁当づくりは、まさに日常茶飯事になっている▼よくしたもので、生来の怠け者なのだがなぜか毎朝・毎晩台所に立っている。気がつくと料理本やSNSの動画で新しいメニューのヒントを探しているのだから、習慣とはおそろしい。下手なりに栄養が偏らないように、見栄えが良いように工夫する▼別にあらたまって家族から感謝されるわけでもない。ただ、「あー、うまかった」ときれいに食べ終えた皿を見て自己満足する毎日の繰り返しだ。さて今夜のメニューは何にしよう。そこで一句詠める。『卵焼きふっくら黄色に焼けた日は何かいいことありそな気がする』