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いわき市の有機綿花使ったジーンズ完成 22、23日に平・エンバでお披露目
有機農業による綿花の栽培を手がける「起点」(好間町中好間)は、県内初のオーガニックコットンジーンズを完成させた。これまでも手ぬぐいやタオルなどを製造してきたが、本格的にアパレル事業に進出する方針で、四倉町玉山で育てた綿花を配合し、5年の構想を経て新たな商品を仕掛けた。お披露目会・試着販売会が22、23日、平字谷川瀬の「やがわせミクストコミュニティenva(エンバ)」で開かれる。
起点の代表取締役・酒井悠太さん(41)は「国産の綿を使ったジーンズは、全国でも珍しいのではないか」と語る。
綿花栽培は東日本大震災・東京電力福島第一原発事故をきっかけに、津波による塩害に強く、放射性物質セシウムが移行しにくい特徴を生かし、営農再開に向けて始まった取り組みで、起点が商業ベースとして展開。機能美と持続可能な商品を取りそろえ、自社ブランド「SIOME」を立ち上げている。
オーガニックコットンジーンズはSIOMEの一環で、第1弾は「コットングロワーパンツ」に決定。地域性を踏まえ、常磐炭鉱の男たちに着想を得た「働くための日常着」のコンセプトで、綿花の特性を生かしたゆったりとしたジーンズに仕上げた。
さらに製造工程にもこだわりを持つ。世界的に綿花栽培の現場には環境負荷や人権問題が散見されるが、こうした点を一切排除。デニム用の綿糸は広島県福山市、縫製は宮城県栗原市のそれぞれ技術の高い工場に依頼している。
酒井さんによると、ジーンズ特有の「重い・動きにくい・ビジネスシーンに適さない」という課題を解決しつつ、丈夫で長持ちし、履くほどに味が出る要素は維持した。限定130本。価格は2万9700円(税込み)。サイズはXS、S、M、L、XL、XXLの6種類。色はインディゴブルー。
お披露目会・試着販売会は両日とも、午前10時から午後4時まで。酒井さんは「今後も需要に応じた、さまざまな商品展開を考えている。まずは足を運んでいただき、有機栽培の綿花を使ったジーンズの良さを知ってほしい」と来場を呼びかけている。
(写真:完成したジーンズを手にする酒井さん)