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吉野せい賞 3年ぶりの正賞に錦町・沢葦樹さん「カノープスを見ていた少年たち」

 小名浜出身の作家、吉野せいの輝かしい業績を記念し、新人の優れた文学作品を顕彰するとともに、いわき市の文化振興を目的にする「第47回吉野せい賞」受賞作が発表された。
 第44回以来、3年ぶりの吉野せい賞(正賞)には、ある男性が少年時代に亡くなった友人から教えてもらった星カノープスを巡り、天文ファンや仲間たちとツアーを計画し、旅先の星空の下で出会った少年との出来事を綴った、契約社員沢葦樹さん(62)=錦町=の創作(小説)「カノープスを見ていた少年たち」が選ばれた。
 表彰式は11月2日午後1時から、市立草野心平記念文学館で行われる。
 準賞は無職一橋清高さん(77)=錦町=の創作(小説)「災禍」、奨励賞には主婦伊藤晴美さん(45)=本宮市=の同「空色チェリー」、無職松井高史さん(77)=静岡県賀茂郡=の同「巣立つ者らが見る夢は」が選ばれた。吉野せい賞受賞作品は総合文藝誌『風舎』第19号(来年3月発行予定)に掲載する。
 今回は市内外から31編(小説25、童話1、ノンフィクション5)の応募があった。第一次選考で吉野せい賞対象8編、青少年特別賞1編を選出後、選考委員の協議を経て第2回同賞運営委員会で受賞者を決定した。正賞、準賞の同時選出は同じく3年ぶりで、青少年特別賞は見送られた。
 選評では、吉野せい賞運営委員会の吉田隆治選考委員が、正賞について<1>一般にはよく知られていない星のカノープスに魅せられた人間の世界を描き、既視感がなく新鮮で壮大<2>亡くなった元同僚の甥である少年の登場も無理がなく、リアリティがある<3>ここまで物語を紡いだ想像力、構想力はすごい―と評した。
 総評として「過去に受賞歴のあるベテランだけでなく、若い書き手を加わり、内容的には読みごたえがあった。毎回指摘するが、選考には厳しい制約があり、高レベルが求められる。いわきを、いわきの人間を題材にするが、評価の基準はあくまで人間の描き方にある」と述べた。
 (写真:吉野せい賞の入賞者)

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