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いわき信用組合 旧経営陣10億円超の迂回融資 X投稿から発覚で会長は辞任
いわき信用組合(本部・小名浜花畑町)は15日、2008(平成20)年7月から11年2月にかけて、いわき市内の企業に対し、当時の代表理事が10億円を超える迂回融資を行っていたと明らかにした。本多洋八理事長が同日、記者会見して明らかにした。融資先企業やいわき信組の役員・家族の名義で、融資を実行していたという。当時の代表理事は4人おり、審査部長を兼ねていた人物が主導したとされる。
さらに2014年7月には、いわき信組の支店で職員による4500万円の横領があったが、当時の経営陣が隠ぺい。ギャンブル目的とされ、一部は関係者に対する融資を通じ弁済された。さらに09年6月には支店次長が20万円を一時的に着服していた。
いずれもX(旧ツイッター)に、元信用組合職員を名乗るアカウントで一連の内容を伝える投稿があり、10月初旬に上部団体の全国信用協同組合連合会(全信組連)から知らされ、内部調査を進めていたが、概ね事実と発覚した。
15日にいわき信組とこれまで取引のない弁護士、公認会計士で構成する第三者委員会が発足。少なくとも4~5カ月かけて、事実関係の詳細を調査していく。
また当時の代表理事(理事長)で、会長となっている江尻次郎氏は1日の理事会をもって、引責辞任した。江尻氏は第三者委員会の調査に協力するとしており、「慚愧(ざんき)に堪えず反省している」と話しているという。
迂回融資を巡っては、出資法違反や有印私文書偽造などの罪に問われるかも含め、慎重に調べていく。記者会見の席上、本多理事長は「お客さまや地域の皆さまに多大なるご迷惑をおかけ、大変申し訳ございません」と陳謝した。
(写真:いわき信用組合の本部)