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片隅抄

2011.06.13

 6月18日は、3月11日から数えて、仏教でいうところの百箇日にあたる。卒哭忌ともいわれ、死を嘆き悲しんで泣いてばかりいるのをやめるころとされている。週末には、市内の津波被災地でも合同慰霊祭が実施される▼100日を振り返った時に、「耐」「対」「泰」の3つの「たい」が頭をよぎった。われわれは震災当初、突然襲われたその現実に「耐える」しかなかった。少し過ぎて、現実と向き合い「対処」しながら日常生活を取り戻していった▼そして今は、この後どんな厳しい現実を前にしても動ぜず「泰然」としていられるだろうと思えるようになった。誰にとっても、それほどの非常な経験だったはずなのだから▼そして4つ目の「たい」に「胎」が思い浮かんだ。ここから新しく生まれるものも必ずある。その「胎動」が一日も早く感じられることを、いわき全体が待っている。悲しみを希望に置き換えながら、顔を上げ、少しずつ歩んでいく時が来た。

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