今年は11月に入っても夏日を記録するなど秋を感じる間もなく冬へと季節が進んだ気がする▼夏の猛暑から紅葉は遅れ、ほかにもさまざまな農作物で不作や品質の低下が見られた。米の品不足から買い占めが社会問題にもなった。食品以外でも郵便料金などが値上げされ、家計を預かる主婦にとっては、生活全体を見直したりして工夫はするもののそれも限界に近い▼そこで国は来年、所得税が生じる「年収103万円の壁」の引き上げ、ガソリン税への暫定税率の廃止を明言。国民にとっては朗報だが、ただこれも一過性であって、暮らしが豊かになるといった実感がわかないのは抄子だけか。その財源の一部が赤字国債の発行にでもなればなおさらだ▼米国ではトランプ氏が大統領に返り咲きし、世界経済がどうなるか予断を許さない状況にある。そんな中、与野党で主導権争いをしている場合ではない。困窮する国民の暮らしに向き合う政治をしてほしい。