三陸沖を震源とするM9・0の巨大地震とそれに伴う津波に見舞われた東日本では、岩手、宮城、福島の3県を中心に今も避難所生活を強いられている被災者が数多くいる▼いわきでも特に沿岸部での被害は甚大で、住民らは日々復旧作業に追われている。ただ未曾有の大津波によって家財道具ばかりか家そのものを失い、日常の生活のすべてを奪われた人たちにとって、震災前の生活に戻るには並大抵の苦労ではないはずだ▼そんな中、これから迎える梅雨時期は要注意。先の大地震によって地盤が緩み、地盤沈下などを起こしたりしているところに持ってきて、大雨が降れば大規模な土砂災害や浸水被害などの2次災害が起きないともかぎらない。そうなれば復旧の妨げになるのは必定だ▼今回の地震や津波でも分かるとおり、われわれは自然の脅威を嫌というほど見せつけられた。それだけに、梅雨時期とくに梅雨末期の集中豪雨にはこれまで以上の注意が必要だ。
片隅抄