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20日に投開票日迎える参院選 5人立候補の福島選挙区 有権者の選択は
参院選は20日に投開票日を迎える。福島選挙区(改選数1)では、4選を目指す元法相の自民党現職・森雅子氏(60)と、元衆院議員の立憲民主党新人・石原洋三郎氏(52)が激しい戦いを繰り広げているほか、会社役員の参政党新人・大山里幸子氏(51)が支持を広げており、有権者の一票の行方が注目されている。
IT会社社長の政治団体「NHK党」新人・越智寛之氏(51)、元県職員の無所属新人・遠藤雄大候補(40)は独自の戦いを進めている。
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森氏は18日、福島市を中心に活動し、岸田文雄前首相が駆けつけたほか、夜には公明党の全国比例候補と一緒に伊達市で街頭演説に立った。県紙や全国紙、通信社の情勢がやや劣勢である点に、陣営は一様に危機感を感じている。東日本大震災・東京電力福島第一原発事故からのさらなる復興の実現に加え、地域ごとの課題解決に尽力してきた様子を伝えた。
党本部は続々と応援弁士を投入。石破茂総裁(首相)や小泉進次郎農林水産相に加え、小池百合子東京都知事の来県は話題を呼んだ。小泉氏もいわき市と郡山市の2度にわたって支持を訴えた。19日は大票田のふるさと・いわき市に赴く。市内4カ所のスーパーマーケットで演説し、JRいわき駅前で打ち上げ式を開く。
福島4区選対本部長の坂本竜太郎衆院議員は「森候補は18年間、地元の皆さんにお世話になり、ともに復興に向けて歩んできた。全国的に逆風が吹くが、福島ではのみ込まれず、最後まで投票を呼びかける」と前を向く。
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石原氏は18日、いわき市での演説を締めくくった。市内3カ所のスーパーマーケット前でマイクを握り、物価高対策や1次産業の振興を伝えた。
立憲民主党は福島選挙区を「最重点」に位置付けており、野田佳彦代表や小川淳也幹事長ら党幹部を次々と送り込み、自民票の切り崩しに余念がない。公示後には小沢一郎衆院議員が来県し、選挙区候補を取り下げた共産党県委員会の事務所を予告なしに訪問する『サプライズ』もあった。
情勢取材では森氏を上回る結果が続いたが、福島4区選対本部長の斎藤裕喜衆院議員は「自民党は組織での選挙が強い。最後にどれだけの票を積み増してくるか分からない。ここは相手候補のふるさと。投票箱のふたが閉まるまで気を緩めるわけにはいかない」と警戒感をにじませる。
19日は大票田である地盤の福島市を含む県北地方を回り、二本松市とJR福島駅近くでの打ち上げには野田代表が参加予定。選挙戦としては異例の2度目の来県を果たすことで、最後の一押しに全力をそそぐ。
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大山氏は18日、天栄村や須賀川市を歩き、郡山市では全国比例候補を交えた個人演説会を行った。いわき市での活動は17日が最後で、2度目の個人演説会を開催。SNSでの発信を強化し、午後の小名浜市民会館、夜の平・いわき産業創造館ともに多くの支持者を集めた。
「演説が得意ではない」と謙そんし、有権者との触れ合いに時間を割いてきたという大山氏。減税を通じて生活を豊かにする政策や、党が掲げる「日本人ファースト」の考えが浸透してきたと感じる。19日は地元・郡山市で遊説し、JR郡山駅前で選挙戦を打ち上げる。
(写真:福島選挙区に立候補した5人=届け出順〈左から右へ〉)