ニュース
高校野球 地元勢で残ったいわき湯本、いわき光洋ともに3回戦で敗れる
第107回全国高校野球選手権福島大会(県高野連など主催)は9日目の19日、3球場で3回戦8試合が行われ、準々決勝に進出する8校が決まった。
いわき勢で勝ち残っていた2校のうち、地元ヨークいわきスタジアムで第4シード光南と対戦したいわき湯本は、3四球などで失った初回の2点が重くのしかかり、最終回に1点を返したが1―3で敗れた。相手に与えた12四死球が痛かった。
福島市の県営あづま球場で学法福島と対戦したいわき光洋は、リードしては追いつかれる一進一退の攻防を繰り広げたがサヨナラ負けした。最終回の攻防が明暗を分けた。いわき勢は準々決勝を前にすべて姿を消した。
■ ■
3試合連続先発した2年生エース松本翔が六回のマウンドで突然、顔をゆがめて左腕をダラリと下げた。回転数を上げてスライダーを投げようとしたらヒジから先に電気が走ったのだという。腕に力が入らない。初めての経験だった。ここまで2失点ながら被安打は3、無四球で8奪三振と好投していたが、無念の交代となった。
1年前の夏の大会。松本翔は1年生ながら期待されて2回戦に先発したものの、四回途中6失点KO。「去年はぼくのせいで3年生の夏を終わらせてしまった。だから今年は3年生のために投げるつもりだった」と悔やんだ。
今年のチームは1年時から公式戦を経験してきた2年生が中心で、控えに甘んじる3年生も多かったが、ベンチで笑顔を絶やさず後輩たちを盛り上げた。しかし、みすみすベンチを温めるだけではなかった。
この試合、突然のエース降板後急きょマウンドに上がった桑原詩恩は六回から八回まで無失点投球。同じ3年生の矢口琉久は九回こそサヨナラ打を浴びたが、1、2回戦とも無失点で試合を締めた。
背番号5の控え・鈴木優兜は最終回2死から代打で登場すると、この夏初打席を左前に運んでチャンスを広げた。外野の控え・猪狩礼も途中出場で2打数2安打1死球。3年生は黙って夏を終わらせなかった。「3年生が背中で見せてくれた」。紺野勇樹監督は笑顔でたたえた。
(写真:悔しいサヨナラ負けをして肩を落とすいわき光洋ナイン)