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錦町・御宝殿熊野神社 国重文の「御宝殿の稚児田楽・風流」披露される

 旧菊多郡73カ村の総鎮守で、807(大同2)年に紀州熊野新宮の別当・日下大膳とともに熊野の分霊を勤請し、錦・長子地区に仮宮を造営して祭ったのが始まりとされる、御宝殿熊野神社(錦町御宝殿、下山田大膳宮司)の例祭が20、21の両日、境内と周辺一円で執り行われた。
 祭り全体が「御宝殿の稚児田楽・風流(ふりゅう)」の名称で、国の重要無形民俗文化財となっており、21日の本祭りでは田楽の演奏や今季の浜大漁、五穀豊穣をうらなう神事を繰り広げた。
 氏子総代、崇敬者らに加え、地域の文化遺産をひと目見ようと多くの市民が訪れて、古式にのっとり連綿と今に続く神事と民俗芸能を見守った。
 以前は7月31日に宵祭り、8月1日に本祭りを開催していたが、2016(平成28)年からは海の日の前日に7歳以下の勅使児童による錦須賀海岸での潔斎(けっさい)などの宵祭り、7月第3月曜日の海の日に本祭り、8月1日は鎮座記念祭を執行している。
 本祭りでは、モウソウダケ(孟宗竹)でつくられた五穀豊穣を意味する兎(うさぎ)の鉾と、浜大漁を意味する鳥(3本足のカラス)の鉾を社殿前に競って立てる、農事の豊凶をうらなう鉾立の神事を実施した。
 長子地区の氏子崇敬者が2手に別れて約130mの参道を鉾を持ち社殿に向かって走り、競い合って鉾を立てるもので、今年は兎の鉾が先に立ち、五穀豊穣が約束された。
 このあと、1976(昭和51)年に指定された国重要無形民俗文化財の象徴でもある稚児田楽が、稚児田楽・風流保存会(赤津一夫会長)により宮司宅や境内の常設舞台などで奉納された。
 田植えから収穫に至る農耕神事を儀礼化したもので、古典楽器のびんざさらを用いることから、その摺(す)り音をとって「ザラッコ」とも呼ばれ、兎とカラスが描かれた露払いを持った2人と、びんざさらを持った6人が向き合い舞う。
 (写真:本祭りで奉納された稚児田楽)

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