先の参院選では野党の後塵を拝し自民党。トップの石破総理・総裁、および執行部の責任を追及する党内の一部勢力。その中には、自分のことは棚に上げての感がある議員もいる▼それとは逆に「石破さん辞めないで」を叫ぶ自民親派とは違うグループがシュプレヒコールを上げたという珍現象も起きている。新興政党の大幅躍進、凋落気味の旧来政党がはっきりとした中での政局は混沌とする▼それにしても石破首相の粘り腰には驚く。次の総理・総裁候補がはっきりしないとはいえ、政治の師田中角栄さんも泉下で苦笑いしているだろう。宰相吉田茂の門下生ではあるが、官僚派主流の吉田学校では裏方に徹してきた田中さん▼利害があったとはいえ、その政治的センスを高く買い、同じ党人派として軍師を務めた川島正次郎副総裁。幹事長を務めた田中さんを助け、政権の道筋を付けた。ブレーンが少ないとされる石破さんだが、支えてくれる心強い側近がいそうだ。