任期満了に伴う、いわき市長選の３１日告示まで１週間を切った。すぐさま来月７日の投開票を迎えることになるが、今のところ再選を目指す現職、復活を期す前職、４度目の挑戦になる新人の争いと見られている▼前回はこの３人に元会社社長が名乗りを挙げるなど、４人が熾烈な戦いを繰り広げたことは記憶に新しい。うち同年代の２人は、社団法人の活動を通じた知り合いでもあり、やや複雑な心境になったものだ▼子ども心に市長選を身近に感じたのは１９７４（昭和４９）年のことだと思う。本紙では３万票の大差で現職に勝った革新系首長の誕生を「高かった女性の投票率 主婦主導型の選挙」「保守地盤からも順調な得票」などと報じている▼もっとも同年７月の参院選では、当時の自民党が過半数を維持できず敗北している。党ぐるみの金権選挙などと批判された影響が地方の市長選に波及したかは知れぬが、現在の閉塞した状況に似てなくもない。
